こんにちは。デザイナーのいつきです。
HAIR CREPERIEの新作のおしらせをさせていただきたいのですが、今回は開発スタートからの道のりを旅に見立てて、流れに沿ってお話しします。
旅の始まり
少しHAIR CREPERIEの成り立ちを振り返ると、開発初期に作っていたITSUKIのナイトキャップはなんと7,000円台後半でした。下の写真が、その発売にならなかった7,000円のナイトキャップです。
現在の4,900円というプライスにできるまで、材料の選定や、作ってもらう工場さんとの出会うまでにも四苦八苦。
だから、この価格と仕様に納得してご購入いただいている皆さんには、一人一人握手してお礼を言いたい思いでいます。
そしてありがたいことに、ITSUKIのナイトキャップをご検討いただいている皆さんのお声を(主にSNS上で)お見かけすることが増えてきました。
だけどやっぱり、ご検討いただく上でネックになっているのは、「値段」。
そこで、更にお求めやすいプライスにするため、新たに旅に出ることに決めました。
海を渡った場所での生産。中国製です。と言っても実は、中国製にしよう!と前もって考えていたわけではないのです。
ラッキーにも、中国生産で信頼できるつながりができたことをきっかけに、この旅を始めることができました。
そして旅の1つの到達点として、新作の価格を3,200円にすることができたのです。
シルクロード
旅を進める内に、思ってもみなかった副産物が。
それは、中国のシルク生地の選択肢の多さでした。
シルクは(シルクに関わらず沢山の物がそうだとは思いますが)、中国の方が歴史が長くて、得意分野だとの情報も。言われてみれば、中国からローマへ絹を持って行くための交易路があの「シルクロード」ですものね。
というわけで今回の新作は、髪にあたる裏面のシルク含有量を50%に増やして、より艶やかな生地を使っています。
わたしはテストのために、先んじて新しい生地で作ったナイトキャップを使っていますが、やっぱり違う…脱いだ時の髪のしっとり感やクシ通り!
因みに、裏面の生地の残りの50%は綿。配合は違っても、組み合わせはこれまでと一緒です。
何故100%シルクを選んでいないかというと、綿が入っていることによるかぶり心地、脱げにくさ(つまり食いつきのよさ)を気に入っているから。
だけど100%シルクもやっぱり捨てがたい。
100%シルクの生地を使った新たなアイテムを作りたい。そのためにはまた新たな旅が必要なので、それはまた別のお話し。
パジャマのままの旅
これまで何度も旅という言葉を使ってきました。
だけどここ1年くらい、本来的な意味で意気揚々と旅に出るのは難しくて、出かけるどころか一日中部屋の中でパジャマだったりして。
ワンマイルウェアも良いけど、わたしは古風でTHEパジャマなデザインが好き。
個人的な話しですが、最近水色のパジャマを買いました。
水色って不思議な色で、ぼんやりしているような、晴れ渡っているような。清潔感があって、取り入れやすくて、嫌味が無い明るさ。
そんな存在感が気に入って、水色を新色として登場させました。
内側のシルクコットン生地も、はっとする美しい水色に染めてもらって。
2色とも、ベッドにぽいっと放っておいている姿さえ、晴れ晴れした心地になるカラー。
特にペールブルーレッドはわたしのお気に入りのカラーで、マーガレット・アトウッドの小説の登場人物たちが着ているドレスを髣髴とさせるような。
身に着けるもの、視界に入るものをお気に入りで揃えたら、頭の中は夢想してどこまでも。物語の中まで旅できます。
HAIR CREPERIEが、皆さんの夢にお供できますように。