「おまじないは、クマ、クマ、クマ!」の始まりによせて

「おまじないは、クマ、クマ、クマ!」の始まりによせて

「自分ルール」をつくり続けるのが、人生だったりして。

今はダイエット中だから、炭水化物はできるだけ摂らない。とか、去年は首の後ろを日焼けしたから、今年の夏は忘れずにしっかり日焼け止めを塗ること!とか。
考えてみたら生まれてこのかた、毎日あれやこれや決心してはルールをつくってきた。

これだけいっぱいのルールを守ってたら、さぞ理想の自分に近づくだろう。と思いきや、全部の自分ルールを守るのは…それどころか、自分ルールを全部把握して覚えておくことすら、難しい。

そもそもルールをつくって自分をコントロールしようなんてこと自体が無謀で、ワガママな発想なのかしら?

 

▲夢の中でクマに話しかけられるミユキさん

閑話休題。

「おまじないは、クマ、クマ、クマ!」は、ITSUKIの世界観をベースに、イラストレーターのがじゅまるさんにキャラクターやストーリーを考えてもらっている。

だから登場人物はわたし個人を下敷きにしてキャラを作ってもらう、いわゆるアテガキではないのだけど、1話目出演のミユキさんが、他人と思えないくらいわたしと似ていて、それは驚いた。

わたしはクマが好きだから、ジャングルでクマに話しかけられたら逃げ出さずに耳を傾けると思うし、時間がない朝でも、スコーンはレンジとトースター両方を駆使して最高の状態になるようにあたため直し、味わって食べる。

作中、焦ったミユキさんが鍵を忘れる一コマがある。これまでの人生で片手では足りないくらい「鍵がらみ」の事件を起こしてきたわたしとしては、そんなところにも共通点を見出してしまう。

がじゅまるさんには、わたしのこんなどうでも良い情報は共有していないはずなのに。どうしてわたしのことを知っているんだ…。

話しを少し冒頭に戻して。

時間がない朝に懲りて、「明日からは30分早く起きる」自分ルールを何度制定したか分からない。

とすると、そうだな。きっとミユキさんも同じなんじゃないかな。ミユキさんも「明日からは30分早く起きる」ルールを作ったことがあるのでは?

だけど実際、わたしとミユキさんは、もう知ってしまってもいる。

30分早く起きれたら、確かに快適な朝になるだろう。
でも別に、いつも通りに少し寝過ごしたって、なんだかんだで最終的には予定に間に合う。

意外とどうにかなるし、どうにかしてきてしまったのだ。

でも、ここで開き直ったら可愛くないよね。諦めず自分ルールをつくって、自分に裏切られて生きているわたしの方が、まだ愛せる。

「おまじないは、クマ、クマ、クマ!」は、そんな風にいじらしくて愛らしい女性と、ふわふわのクマさんが出てくるお話し。

夢の中のクマと一緒に、彼女たちを、はたまた自分を、なぐさめたり戒めたりする。それはいつものことでようで、そうじゃない。

読者諸賢が「クマ、クマ、クマ!」と唱えるとき、ささやかなシスターフッドを感じてもらいたい。

ちなみにITSUKIのHAIR CREPERIEは、毎日ヘアケアをする!という自分ルールを応援するためのプロダクトです。最後に思い出して取って付けたような宣伝ですが、ナイトキャップもどうぞよろしく。

おまじないは、クマ、クマ、クマ! を読む

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