発売してから少し経ってしまいましたが、今回はブランドオリジナルのテキスタイル'GOOD SLEEP'と'CAT PORTRAIT'について書きたいと思います。
おまじないの、テキスタイル
最近、19世紀後半の中央アジアを舞台にした漫画「乙嫁語り」を読みました。作中で、女性たちは結婚の準備をするために、はたまた家族のために熱心に刺繍をしています。願掛けして刺繍を施した布は、着る人を守るとされているようです。
中央アジア・遊牧民の手仕事 カザフ刺繍: 伝統の文様と作り方-から引用
少し話を戻して、願掛けして刺繍する。これって、わたし達の中にもある価値観ですよね。例えば手作りのお守りとかもそうです。元を正せば、日本の刺し子も、おまじないの要素があります。
で、それがどうしたのってところなんですけど。
流石に一針一針、わたしが刺繍することはできないけど、使ってくれる人のために願いをこめてテキスタイルをつくることはできるな。つくりたいな。と思ったことが、今回テキスタイルを作るきっかけになっています。
朝野ペコさんの描く'GOOD SLEEP'
いつもITSUKIのパッケージをお願いしている、イラストレーターの朝野ペコさん。幸運にも、ITSUKIというブランドを始める前からご縁がある、素敵なお姉さんです。
テキスタイルを作ると決めた時も、勿論最初に顔が浮かびました。
こういうおまじないがあるからモチーフとして採用してるんです…と長々説明して、余念なくイメージを共有させてもらって。そうして描いてもらった、安眠にまつわる5つのモチーフ。
ちなみにモチーフは、こんなおまじないが元になっています。
- 月…どの夜も安らかに過ごせるように、一つの姿ではなく満ち欠けをモチーフに
- 子ぎつね座…モンゴルでは、キツネの精が赤ちゃんの眠りを妨げるのを、同じくキツネを象った飾りで追い払うそうです。それにあやかって、夜空に浮かぶ子ぎつね座を選んでいます
- 胸像…ギリシア神話に登場する、眠りの神さまヒュプノス
- ラベンダー…安眠効果のある香りを放つラベンダーを花束で
- 女性…ぐっすりと眠って元気を取り戻そうとする女性。ヴィーナスの誕生を象っています
完成したテキスタイル、名前は’GOOD SLEEP’とつけました。言葉の意味はお分かりの通り、「安眠」。
夜の静かな雰囲気と不思議な引力を帯びています。ペコさんの揺らぎのある線が、わたしたちを美しい夢に誘ってくれるようです。
猫の語源は寝る子、だとか
’GOOD SLEEP’と同時に発売したオリジナルテキスタイル’CAT PORTRAIT’の絵は、私が描きました。
何故猫をモチーフにしたのかというと、猫の語源の有力候補「寝る子」にかけてのこと。
猫は長ければ1日に16時間も寝るようです。つまり、夜の0時に寝たら起きるのは夕方の16時。流石に人間である我々はそこまで長時間眠れませんが、’CAT PORTRAIT’のナイトキャップをかぶる人が、それくらいぐっすり眠れたらいいな。という思いを込めています。
ちなみに、長時間眠るのは猫だけじゃなくネコ科の動物も同じようです。柄の一部には同じくネコ科のライオンや豹も描きいれています。探してみてくださいね。
オリジナルテキスタイルと同時に発売スタートした、髪が肩より短い方のためのナイトキャップ「シスター」の開発記は上のバナーから。